映画『パパは奮闘中!』
2019年4月9日、映画の試写会で、フランス映画『パパは奮闘中!』を見てきました。
ある日突然、妻が家出し、子ども2人を抱えたパパが、子育て、家事に苦闘し、仕事でも困難に直面するお話しです。
★★★☆☆
以下、ネタバレがあります。
ある日、妻のローラが2人の子どもを残して家出。
仕事と育児に悪戦苦闘することになる夫、オリヴィエ。
そうです、『クレイマー、クレイマー』の再来のような映画です。
舞台はフランスの地方都市、北部のヴィッサン。
巨大物流倉庫で働く主人公は、現場を任されたチームリーダー。
この巨大倉庫での仕事や組合活動が縦糸のように映画全般を貫く。
そして、横糸には、少々心を病んだ妻や家族との心の葛藤や触れ合いが織り込まれていきます。
『クレイマー、クレイマー』はアメリカのホワイトカラーが舞台だったけれど、この映画は、労働者階級の今が描かれています。
私は、アマゾンの倉庫を見に行ったことはありませんが、テレビでちらりと見た倉庫も広かったです。
その時に、そこで働く人々の血の通った生き様には思い至りませんでした。
全体的に暗いところが、アメリカ映画とフランス映画の違いかもしれません。
夫婦の直接の対決もなく、妻は最初の方の家出前に出てきただけ。
心に闇を抱える様子が、暗に示されただけで、何が原因か、映画の中の人たちも観客もわからないままです。
だんだん見ていくと、想像はできるようになりますが。
説明的な映画がいいとは思いません。
映画こそは映像で語るべきだと思っています。
でも、、、。
最後は印象的でした。
あそこで民主主義が出てくるとは思いませんでした。
南の、トゥールーズへ。画面も家族も明るく、希望を感じました。
もし、仮に、南へ行っても妻は帰らず、事態は進展しなくても、家族それぞれに明るい未来が待っている気がしました。
2019年4月27日公開