左片麻痺でもタオルをたたみます
夫は脳梗塞の後遺症で、利き手を失う、左片麻痺になってしまいました。
元々はリハビリで左手を使ってあげましょう、と始めたタオルたたみ。
今では、左手をまったく使う気はないのですが、タオルたたみは、夫の"仕事"になりました。
私も助かっています。
ヘルパーさんの入浴では、フェイスタオルをたくさん使います。
夫の食事中のナプキン代わりにもフェイスタオルを使っています。
だから、洗濯がいっぱい。
病気になると、何もやらなくなる人が多いです。
でも、何か人の役に立つことが、その人の生きがいになります。
わが家では、目下、タオルたたみと、新聞・郵便物取りが夫の役割です。
元気だった頃は、新聞を取りに行き、ゴミもすべて捨てに行き、夕食後には、食器を流しに下げ、食洗機に入れてくれました。
宅急便や郵便局が来ると、すぐに1階まで下りて行きました。
これだけ戦力だった夫なので、退院直後は、すべて私がやらねばならず、大変でした。
しかも、あの頃は、トイレでズボンを下ろすことも、自分で拭くこともできず、全部介助していました。
夫は、死にたいと繰り返していました。
病院では、自分の現状を受け入れていたようでした。
前向きにリハビリに取り組んでいました。
でも、家に帰ってくると、今まで生活していた空間で、自分ができなくなってしまったことの多さに、圧倒されたのだと思います。
突然、塞ぎ込むことが多くなりました。
一方、私は、やることの多さに、押しつぶされそうでした。
あの退院の頃を思い出すと、感慨深いです。
すっかり疲れていた私に言ってあげたいです。
脳梗塞で失った機能は、戻ってきます!
それは、回復するのではなく、新たな回路が脳にできるのです。
だから、繰り返し、繰り返し、練習します。
ピアノを習ったあの頃、サッカーボールを蹴ったあの頃、
誰もが、できないことを始めた頃の記憶があると思います。
それと同じ。
3年前に退院してきた頃より、ずっと多くをできるようになりました。
人間って、素晴らしい!と思っています。